Doku No Ouji Sama

Nekomata Okayu

きみがかかえてるこころのきずぐちに
やさしいふりのうそをすりこんでく
うたがいもせずに、ぎぜんだともしらずに
よりそことが、きみのいきがい

ずるり、どろり、ひきずりこんで
もどれないそこへおとしてあげる
いつかきみがぼくだけもとめて
なくすがたをみてみたい

きみがのぞむなら、ぼくはおうじさま
めざめのきすなら、どくいりのあいで
だましてあげるよ、らくになれるなら
うそはどくにもくすりにもなる
だから、わるくはないでしょう

きみがふあんがるうつろなかんけいも
ぼくはきつくうそでぬいあわせる
きずかなくていい。ほんとうのことなんて
しらないうそは、ないのとおなじ

するり、どろり、のみやすいように
あまくとかしたくすりみたいだ
まるでおかしのようにみせかけて
きみにくちうつすぎやく

ぼくとのよるだけ、きみはおひめさま
がらすのくつはき、しぬまでだんすを
あいしてあげるよ、くるしまないように
うそはなによりきみをすくえる
だれがぼくをとがめるの

きよくただしいしんじつのほうが
よほどざんこくなどくになるでしょ
ごぜんれいじ、ねむれないほどに
いきることにおびえている
どくはどちら

きみがのぞむなら、ぼくはおうじさま
めざめのきすなら、どくいりのあいで
えんじてあげるよ、まほうがとけるまで
ぼくはどくでもくすりでもいい
それもわるくはない

うそつきな、どくのおうじさま
ゆめをかたらずに、うつずをかたるけれど
ぼくだけにきみはわらう
それだけはうそじゃないしんじつ
だから、わるくわないでしょう
それでいいよ