このめがふたつだけで
よかったなあ
せかいのかなしみがすべて
みえてしまったら
ぼくはとうていいきていけは
しないから
うまいことできたせかいだ
いやになるほど

それなのにひとはなにちまよったか
わざわざひろいこのせかいのいたるところに
ごていねいにめつけて
ああだこだと
ぼくはぼくのかなしみでせいいっぱいなの

みちゃいけないなら
ぼくがいけないなら
はりといとすぐほらもってきてよ
ふさいでしまうから
ぬってしまうから
さいごにまとめてぜんぶみしてよ

いちがいちであるためにきょうもぼくはね
ひゃくからきゅうじゅきゅうもうばって
いきてるんだと
んなのおしえてとたのんだ
おぼえはないのに
いいからほらもうだまってて
いわんのばか

せかいからみればいまのあなたは
どれだけかくかくしかじかと
いわれましたても
したにはしたがいるって
よろこびゃいいの
ぼくはぼくのかなしみも
ういちゃいかんとさ

ないちゃいけないなら
ぼくがいけないなら
るいせんなどとうにきっといてよ

うまれたときにさ
へそのおのまえにさ
ついでにくちよこにさいといてよ

したらつらいときやかなしいときも
なにごともないようにわらえるよ
そうでもしないと
とてもじゃないけど
ぼくはぼくをやってられないんだよ

きょうもあちらこちらで
いのちはきえる
はずなのにどこをふけど
おちてなどいないなあ
きれいすきにもほどがあるよ
ほんとさ
なんてすばらしいせかいだ
ってんでんでなんだか

そりゃいろいろいそがしいと
おもうけど
しゅよくものうえでなにをぼけっと
つったてるのさ
このおいたしかるのが
つとめなんでしょ
ゆうきをもってこぶしをだして
すきなようにやっちゃって

みなきゃいけないなら
ぼくがいけないなら
まぶたのうらにでもはっといてよ

うまれたときにさ
へそのおのまえにさ
そうまでしてさからいたいなら

ぼくがうれしいときもきもちいいときも
まばたくたびつきおとしてよ

だってじゃないとさ
わすれてしまうから
ぼくのめはふたつしかないから

このみみがふたつだけで
よかったなあ
せかいのさけびごえがすべて
きこえてしまったら
ぼくはとうていいきができないから
ぼくはぼくをしあわせにするきのうで

いっぱいいっぱい
いっぱいいっぱい
いっぱいいっぱい
いっぱいいっぱい

みちゃいけないなら
きいちゃいけないなら
ぼくらのしたにもつぎのいのちが

やどったときには
へそのおのまえにさ
そのすべてのせかいのいりくちを

とじてあげるからふさいだげるから
ぼくがきみをまもってあげるから

にがしてげるからそのひとみから
なみだがこぼれることはないから

Composição: