鯨 (kujira)

めくるめくはなやかなせかいがあたしをとりまいて
だれかがそれをほしがっても
あたしはただちょうすぎるじゅみょうをまつだけでよかった
かなしみのよあけをおおきなくじらみたいに

ふつういたきもちのまま
いそがしさにみをまかせてきょうたかつた
だけどいまこきゅうがはやくなっていく

このこころがさそうままおよぐは
なみだでつくったうみでたびにでるの
ずっととおくへいけるようにね
もっとないてないてないてないて
いくわ

うつくしいものからじゅんにうむかみさまはきっと
はたしたいのちにごくじょうのらくえんを
よういしてくださることでしょう

めふんしくささる
すいめんのこうめきもいたくはないよほら
いくつものちいさなあやまちもきえないで

あなたにみせたいわたしのうみを
いたみもくるしみもないしまへつくころには
きっとなみだもつかいきっているわ
ながいいのちをおよぎきったら
らくえんであいましょう